インフラ案件の要件定義書とは
そもそもよく話題になるのが要件定義は
ユーザーが実施するのか、それともベンダーが
実施するべきなのか。
従来の要件定義ではベンダー企業中心が多かったが
全社的視点でのシステム再構築、多岐にわたるステークホルダー、
複雑化した現状機能の踏襲など外部から既存システムの
理解や抜本的なシステム変革の決断などが困難を極めたため
多くのプロジェクトが失敗に終わっていった。
これに対してIPA(独立行政法人情報処理推進機構)は
要件定義はユーザー責任であることを強く訴えている。
要件定義とは「自分たちが使うシステム」を定義すること
なので「要件定義は発注者の責任である」と述べている。
ただユーザーだけですべてを考え構築することは
難しいのでベンダーと協力して要件定義を行っていく
必要がある。そのため要件定義は準委任契約にすることが
述べられているのだが、要件定義から請負契約を締結する
ケースも少なくなく、ユーザー企業からベンダー企業への
丸投げ状態になり、問題を起こしているプロジェクトが
多く見られる。
要件定義書を作成するときの考え方や参考になる
資料をIPAが作成してくれている。
「ユーザのための要件定義ガイド 第2版」
要件定義を成功に導く128の勘どころ
そもそも要件定義にはどのようなことを
記載すればいいのだろうか?
簡単に言うと、
要件定義:何をやるか
基本設計:どうやってやるか
詳細設計:設定する内容の確定
構築:詳細設計を元に動くように設定する
結合、試験:想定通り動くか確認
導入、切替:現行機から新しい機器に交換
運用、保守:業務に影響が出ないよう見守ったり対応したり
システム開発の要件定義でよくみる項目は
以下のようなものがあります。
◆概要
・プロジェクト背景
・目的
・課題
・全体構成図
・用語定義
◆業務要件
・業務規模
・業務要件一覧
・業務フロー
・スケジュール
◆機能要件
・機能一覧
・画面
・帳票
・外部インターフェース
・データ
◆非機能要件
・方式
・規模
・性能
・冗長性、信用性、拡張性
・セキュリティ
・移行性
・運用、保守
・教育
などを考慮する場合が多いのではないだろうか。
ただ今回考えていきたいのはインフラ案件の要件定義についてである。
正直インフラ要件の内訳でいうとほとんどが非機能要件だと思われる。
大きく以下の4つの項目を決めていくのが重要だと考える
■インフラ要件定義大項目
1.どのような基盤を構築するか決める
※なぜそのように決めたのか、までを記載
2.スケジュールの確定
3.要件定義以降のコストの見積もり
※作業費、機器費、保守・運用費など
4.上記1〜3までの項目が実現可能か裏どり
簡単なように見えて一番重要な項目でもあります。
ほとんどのプロジェクトがこの要件定義で成功するか
失敗するか決まるといっても過言ではありません。
ただ以外と疎かにしがちなのが要件定義でもあります。
■インフラ機能要件
・システム構成について(種別/台数/用途など)
・利用するソフトウェア/アプリケーション
・通信要件
※正確には機能要件じゃないかも・・・
■インフラ非機能要件
・可用性(システムの信頼性、冗長性など)
・性能/拡張性(レスポンスやスループット、リソース拡張など)
・運用/保守(障害発生時の対応、手順書などの準備、
バックアップ、運用スケジュールなど)
・移行性(現行システムから新システムへの移行がしやすいか)
・セキュリティ(システムの安全性要件[パッチ、ウィルス対策、
暗号化、ログ保管方法/期間]など)
・環境/エコロジー(環境に及ぼす影響を考慮[消費電力、
CO2排出量、耐震性能、騒音性]など)
ただインフラ要件定義とはいえインフラ上に構築するのは
開発サイドになります。開発側に確認することを怠らない
ようにしましょう。
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