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Cisco Smart License 設定方法(オフライン方式)

CiscoのライセンスがSmart Licenseになってから
Catalyst機器を導入するのが億劫になってきました。
これ正確に把握している人いないんじゃないかって
くらいメンドクサイし、ややこしい。しかも途中で
バージョンによってライセンス方式を変更したり
しているし・・・・

とはいえやっぱりまだまだ世の中ではCiscoの
Catalystは主流。嫌だとばかりは言ってられません。
ということでちょっとまとめておきます。

◆用語
CSSM:Cisco Smart Software Manager
 →Ciscoのクラウド管理画面
  購入した機器のライセンスはこちらに付与される。
  付与されたライセンスを機器に割り当てたりすることができる。

SA:Smart Account(スマートアカウント)
 →お客様専用アカウント。ライセンス管理などを行える。

VA:Virtual Account(バーチャルアカウント)
 →SAアカウントで作れるアカウント。

RTU/PAK
 →従来のライセンス方式

Smart Licensing
 →IOSバージョン17.3.1までのスマートライセンス利用法
  現在はEOS

SLP:Smart Licensing Using Policy
 →IOSバージョン17.3.2以降のスマートライセンス利用法

◆スマートライセンス利用
図1.JPG

◆スマートライセンスタイプ
ライセンスタイプは4種類あり機能が使えなくなったり
する場合もあるので理解しておく必要がある。

[perpetual license]
・機器でライセンス有効化を実施
・永続ライセンス
・Network Licenseなど
・切れても機能制限はない

[subscription license]
・機器でライセンス有効化を実施
・期限付きライセンス
・Cisco DNA Licenseなど
・切れても機能制限はない

[export controlled licenses]
・米国輸出規制対象
・Smart Licensing Authorization Codeの事前インストールが必要
・HSEC Licenseなど
・切れると機能制限がある

[enforced licenses]
・Smart Licensing Authorization Codeの事前インストールが必要
・MRP Client Licenseなど
・切れると機能制限がある

◆ライセンス購入時
[従来同様の使い方をしたい場合]
L2:Cat9000+Essentialパッケージ 
L3:Cat9000+Advantageパッケージ
(永続ライセンスなので期間終了後も利用は可能)
(DNA機能を利用しなくても一番最初にCat9000購入時は
DNA EssentialsかDNA Advantageライセンスを購入しないと
いけない鬼仕様)

[DNA管理を行う場合]
DNA基本機能:Cat9000+Essentialパッケージ
DNAフル機能:Cat9000+Advantageパッケージ
DNAフル機能+認証:Cat9000+Premierパッケージ
(必要年数購入して更新が必要)

図2.JPG

SLPにもSLR(Specific License Reservation)オフライン方式
CSSMオフライン方式で登録する方法があります。
今後はCSSMオフライン方式が主流となりますので
こちらの方式で登録してみます。

■CSSMオフライン方式登録手順
1.license boot levelの確認
基本的にライセンス認証がいらなくなったので
出荷時にIN USE状態となります。

*確認(license boot level)
CiscoCatalyst#show run all | include license boot
license boot level network-essentials addon dna-essentials

CiscoCatalyst#show license summary
License Usage:
License Entitlement Tag Count Status
-----------------------------------------------------------------------------
network-essentials (C9200L-NW-E-48) 1 IN USE
dna-essentials (C9200L-DNA-E-48) 1 IN USE

2.オフライン方式で稼働する宣言
CSSM(Ciscoのクラウドサイト)と直接通信は行わないので
設定をいれて切っておきます。

*通信を行わない設定
CiscoCatalyst#conf t
CiscoCatalyst(config)#license smart transport off
CiscoCatalyst(config)#end
CiscoCatalyst#wr

*確認(smart transport off)
CiscoCatalyst#show run | include license
license boot level network-essentials addon dna-essentials
license smart transport off
CiscoCatalyst#

3.登録する機器でファイル作成
コマンドを入力してレポートファイル作成。

*作成
CiscoCatalyst#license smart save usage all file flash:test_rum.txt

*確認(rumレポートが作成されたこと)
CiscoCatalyst#dir flash: | include test_rum.txt

4.FTPサーバーの準備

*おすすめフリーFTPソフト
インストール不要でいろいろ試験ができる便利なSERVA
SERVA Capture & Deploy
https://www.vercot.com/~serva/default.html

Download
図3.JPG

Serva_Community_v4.6.0
図4.JPG

Serva64.exeをクリックして起動(PCが64bitならこちら)
図5.JPG

カウントダウンが終了するのを待って
「I'm a "Community" user」をクリック
図6.JPG

起動後、上部で右クリックして「Settings」を選択
図7.JPG

「FTP」タブを選択して
Service Up/Down FTP Server チェックを入れる
FTP Server IP address Bind FTP to this address チェックを入れる
(PCのアドレスがFTPサーバーのアドレスになります)
FTP Settings そのままの設定
FTP Server user accounts
1 user test 任意で設定
FTP Server Anonymous user root directory 任意で設定
FTP Server Registered user root directory 任意で設定
OK選択後、「×」をクリックして再度起動
図8.JPG
再度カウントダウンが終了するのを待って
「I'm a "Community" user」をクリック。

CatalystにIPアドレスなどを設定してLAN線で接続後、
PCからCatalystへPINGできることを確認。
逆にCatalystからPCへPINGできることを確認。
これでFTPの準備完了となります。

5.ファイルをダウンロード
FTPを利用してレポートファイルをPCにコピーします

*FTPサーバー(PC)へファイルダウンロード
[例]
CiscoCatalyst#copy flash:test_rum.txt ftp://[FTPユーザー名]:[FTPパスワード]@PCのIPアドレス/

CiscoCatalyst#copy flash:test_rum.txt ftp://user:test@10.1.1.10/
Address or name of remote host [10.1.1.10]?
Destination filename [test_rum.txt]?
Writing test_rum.txt !
13179 bytes copied in 0.924 secs (14263 bytes/sec)
CiscoCatalyst#

FTP転送が失敗する場合はServaのLogを確認しましょう。

6.CSSMにレポートファイルをアップロード
まずはCiscoのサイトにログインします
CISCOアカウントログイン

ログイン後
Cisco Software Central>ライセンスの管理へ進みます
図10.JPG

レポート>使用状況データファイル>使用状況データのアップロード
図11.JPG

参照>先ほどダウンロードしたtest_rum.txtファイルを選択>データのアップロード
図12.JPG

7.CSSMのACKファイルをダウンロード
アップロードされたデータを確認して>ダウンロード
図13.JPG

製品インスタンスに登録されたことを確認
インベントリ>バーチャルアカウントの選択>製品インスタンス
図14.JPG

8.CatalystにACKファイルをインポート
先ほど利用したFTPサーバーを起動していればそのまま使用できます。

*CatalystへACKファイルインポート
[例]
CiscoCatalyst#copy ftp://[FTPユーザー名]:[FTPパスワード]@PCのIPアドレス/test_rum.txt flash:

CiscoCatalyst#copy ftp://user:test@10.1.1.10/test_rum.txt flash:
Destination filename [test_rum.txt]?
Accessing ftp://*:*@10.1.1.10/test_rum.txt...!
[OK - 13179/4096 bytes]
13179 bytes copied in 2.120 secs (6217 bytes/sec)
CiscoCatalyst#

9.ライセンスステータスの確認

*Catalystでライセンス確認
CiscoCatalyst#show license status
〜割愛〜
Usage Reporting:
Last ACK received: Nov 04 13:26:50 2022 JST
Next ACK deadline: Feb 02 13:26:50 2023 JST
Reporting push interval: 30 days
Next ACK push check:
Next report push: Nov 09 21:23:59 2022 JST
Last report push:
Last report file write:

Trust Code Installed:
CiscoCatalyst#

*Ciscoサイトから確認
Ciscoサイトログイン後>バーチャルアカウント選択>
インベントリ>ライセンス>使用中になったことを確認
図15.JPG

以上でスマートライセンスの登録完了となります。
これでも楽になったほうらしいです。

ちなみにCiscoのファイアウォールASAをオフライン方式で登録する際は
Cisco側で許可設定してもらわないとユーザー側は登録完了できません。
購入ベンダー経由で所定の手続きを実施いただきましょう。


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Cisco Firepower ASA license
ISR4300 IOSバージョンアップ
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posted by シスコ | Comment(1) | TrackBack(0) | Cisco | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当然のご連絡申し訳ございません。

Cisco Smart Licenseで困っている
nkと申します。
お世話になります。

記事でのご説明大変
分かりやすかったです。

ここから今ハマっている事なのですが
分かる範囲で可能ですので
お手数ですが、ご教授いただければ幸いです。


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IOSver17.3.4bの機器を
オフラインレポートファイル形式で
CSSMでライセンス登録後、同機器の
IOSverを16.12.3aに変更。
この時点でライセンス登録方式が
SLR予約方式に変更になっている為、
リクエストコードを発行し、CSSMで
登録しようとすると、使用中の数量が
上限に達していたので登録出来ません。

この場合、レポートファイル形式で
登録した機器のライセンスを一度
removeし、再度SLR予約方式登録する
必要があると思っていますが、認識は
合っていますでしょうか?

また、製品インスタンスの一覧から
あるライセンスをremoveしても
製品自体の情報は削除されない想定で
よろしいでしょうか?
(購入した時にTACもしくはセラーが
登録してくださる情報)

大変、お手数ですが、
ご確認お願いいたします。




Posted by nk at 2023年03月03日 20:38
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